「MIRAI BOARD 標準の型」の第1〜11章と、標準の道具構成を掲載しています。考え方から具体的な進め方まで、順にご紹介します。
料金、よくある質問、型を支える研究は、それぞれのページでご案内します。
前回の会議で何が決まったか。決まったことはどこに書いてあるか。誰が・いつまでに・何をやるか。この三つに答えられるのが社長だけなら、経営は社長の記憶で回っています。
MIRAI BOARDは、社長の記憶で回っている経営を、チームの記録で動く経営へつくり変える型です。手順と道具で、決めたことが記録になり、その記録が次の仕事を決めていきます。
多くの会社で、会議は報告で終わり、計画は作って終わり、研修は受けて終わります。どれもやりっぱなしです。
MIRAI BOARDは、この三つの組み合わせです。
中期経営計画で、誰が・いつまでに・何をやるかを決めます。
月次経営会議で、進み具合を確かめ、記録に残します。
日々の仕事で、社員一人ひとりがAIと考え、選び、形にする力を育てます。この実践を支えるサービスが「MIRAI EDIT」です。MIRAI BOARDに標準で組み込み、普段の仕事で使います。
中期経営計画・月次経営会議・日々のAIとの実践は、同じ仕事でつながります。社員も事業の方向から考え、提案や具体物をつくります。経営会議はその記録と成果をもとに判断し、担当者は判断を引き継いで次へ進めます。人とAIの対話で、自分たちだけでは考えつかなかった選択肢も広げます。
MIRAI BOARDは、20年以上かけて三つの場で検証してきた型です。
一つめは自分の仕事です。頭の中にあるものをぜんぶ書き出し、誰が・いつまでに・何をやるかをはっきりさせて進めてきました。
二つめは経営の立場です。会社の計画をみんなに見える場所に置き、日々やったことで計画を書き換えながら進めてきました。
三つめは経営を支援する仕事です。支援先の社長や取締役と話したこと、決めたこと、やることを、記録に変えてきました。
進み具合の確かめ方や会議の進め方は、さまざまな会議手法からよいところを取り入れています。目的と判断理由を共有し、決めたことを実行できる仕事まで分け、記録から次へ進める手順を整えてきました。
この型はいまも、経営の現場で進化を続けています。道具はよいものが出たら入れ替えます。
いまの道具は、普段の会話が残るSlack、考えが目に見えるMiro、決めたことや資料をためてみんなで使えるNotionです。そこに、これらの記録を読んで働く生成AIが加わります。議事録の下書きづくりから調べものまで、生成AIが受け持ちます。この組み合わせが型をいちばんよく動かします。
この型を回すには、考えを言葉にし、施策を仕事の単位まで分け、判断と結果を記録して使う力が要ります。生成AIと対話すれば、目的の見直し、複数案の比較、実物の作成まで進められます。人が出力を見極め、修正する往復によって、以前は自分だけで扱えなかった仕事にも取り組めるようになります。
方法はいまも、自分の仕事、経営の仕事、支援先での実践をもとに更新しています。その学びを、MIRAI BOARDと、MIRAI EDITの改善へ反映しています。
MIRAI BOARDの名称には三つの意味を重ねています。仕事を並べて動かすボード、会社のいまの状態がひと目で見えるダッシュボード、そして取締役会です。取締役会も、英語ではボードと呼びます。
MIRAI BOARDの「MIRAI」は、十年後、二十年後に創りたい未来のことです。その未来から逆算して、いま何をやるかを決めます。
多くの会社では、計画と日々の仕事が別々に動いています。計画は期初に作られたまま動かず、日々の仕事はそれぞれの頭の中で進んでいきます。期末になって、ずれに気づきます。
この型の土台には、二つのやり方があります。どちらも世界中で長く使われてきたものです。
一つめは、大きな仕事を小さく割っていく方法で、WBS(Work Breakdown Structure=作業分解)と呼ばれます。割った一つひとつがタスクです。「新商品を出す」のような施策のままでは、誰も手を付けられません。誰が・いつまでに・何をやるかまで割ってはじめて、仕事は動き出します。割った結果は一覧になり、みんなに見えます。
もう一つは、頭の中の気になることをぜんぶ書き出してから、一つずつ片づけていく仕事術で、GTD(Getting Things Done=物事をやり遂げる)と呼ばれます。覚えておくことを頭の仕事から外すと、目の前の一つに集中できます。書き出したものは、そのまま記録になります。
MIRAI BOARDでは、この二つをつなげて使います。中期経営計画で決めた施策を、WBSでタスクまで割ります。各自はGTDで日々の仕事を回します。WBSにあるタスクを進めながら、そこに書ききれていない仕事も拾っていきます。
進めていけば、計画とのずれは必ず出ます。担当者は任された範囲で判断し、範囲を超える変更は責任者へ相談します。部門をまたぐ変更や会社の方針に関わることは、月次経営会議など適切な場で決めます。変更した結論と理由を記録し、次の仕事へ引き継ぎます。
WBSは計画をみんなに見えるようにし、GTDは頭の中を記録に変えます。二つが揃うと、経営は記録で動くようになります。
書いた記録が読まれなければ、同じ説明を繰り返すことになります。だから、仕事を始めるときに前回の結論と判断理由を読み、仕事の区切りで記録を更新するところまで、土台に含めます。すでに使える計画や記録がある会社では、それを日々の仕事へ接続するところから始めます。
この型では、目的、任せる範囲、次に確かめることを記録で共有し、手順と道具で仕事を進めます。
毎月の経営会議の前には、自分の施策がどこまで進み、何を判断する必要があるかを記録で共有します。日々の仕事で残した記録と成果物を使い、会議だけのために長い報告資料を作る負担を減らします。
会議では、進まなかった人を責めることに時間を使わず、何が止まり、どの前提を見直し、次に何をするかを決めます。惰性で続いている報告や調整を見直し、新しい可能性を考え、判断する時間をつくります。
この考え方は、型の他の場所にも通っています。
数字を使わないという意味ではありません。数字は、目指す場所といまの成績を教えてくれます。売上や利益の目標を立てることも、店舗や部門の数字を毎日見ることも、これまで通り続けていただきます。ただ、その数字の管理は、この型では扱いません。この型が受け持つのは、その数字を変えるために決めた施策が進んでいるかどうかを見ることです。
施策はWBSでタスクまで分け、仕事が終わったか、何ができたかを確かめます。完成したものと結果の数字を見て、目的に近づいたか、次に何を変えるかを判断します。仕事の完了と、成果の良否の両方を次の実行へつなぎます。
AIに前向きで、新しい仕事を担える可能性のある人を支えます。現在の役職にこだわらず、仕事と判断の範囲を任せます。学ぶ機会を開き、本人の実践と会社の仕事の分け方を、両方から整えます。
議事録の下書き、決定事項の整理、仕事の分解などは、AIを使って進めます。確定した結論と判断理由を人が確認し、次の仕事で再利用できる形にします。
AIが広げた選択肢を人が見極め、その判断からAIがさらに案と具体物をつくる。その往復を増やし、扱える仕事の数・幅・深さと、実行の速さを高めます。
日々の仕事を進めながら、残した判断と成果を次へ渡していくことを大切にします。
中期経営計画で方向と施策を決め、WBSで実行できる仕事まで分けます。一人ひとりがMIRAI EDITの方法でAIと仕事を進め、月次経営会議で成果と次の判断を確かめます。決める、割る、進める、確かめる。この四つの段階の全体に記録を通し、次の仕事へ使います。
ただし、この三つが初めから揃っている会社はありません。どれから手を付けるかは、会社によって変わりますが、変わらないことが二つあります。
一つめは、月次経営会議から始めることです。中期経営計画がまだなくても、この場は立ちます。最初の数か月は、部門ごとの当面の課題を持ち寄って、その場で書き出していきます。会社の強みと弱み、外から来る機会と脅威を並べて、何に手を付けるかを決めます。決めたことは、誰が・いつまでに・何をやるかまで割ります。会議が報告の場ではなく、考えて決める場になります。ここで出てきた施策が集まって、中期経営計画の土台になっていきます。
二つめは、MIRAI EDITによる実践を早い時期から重ねることです。希望者や会社が指定した社員が、自分の実際の仕事をAIと進めます。本人が新しい案を考え、形にした成果を経営の判断へつなぎ、判断したことを次の仕事へ戻します。
中期経営計画とビジョン・ミッション・バリューの二つは、どの会社にも作ることをお勧めしています。会社が向かう先が言葉になっていなければ、何に手を付けるべきかが決まらないからです。ただ、着手する時期は会社によって変わります。いますぐ必要な会社もあれば、先に月次経営会議を回してからのほうがよい会社もあります。この二つが何で、何をもたらすのかは、詳しく知られていないことも多いものです。型として中身をお見せしたうえで、始める時期を社長と決めます。
WBSとGTDの土台は、どこかの段階でやって終わるものではありません。第3章で書いたとおり、これは会社の仕事のやり方そのものです。導入の始めから終わりまで、ずっとこの土台の上で仕事を進めます。
いつ
何を
初月から
月次経営会議
早い時期に
MIRAI EDITによる日々の実践
社長と決める
中期経営計画/ビジョン・ミッション・バリュー
つねに
WBS/GTD
社長の記憶を、まず言葉にして記録します。記録した施策を、誰が・いつまでに・何をやるかまで仕事に分けます。一人ひとりがAIとその仕事を進め、結果を月次経営会議へ戻します。そこで決まったことをまた記録し、次の仕事に変えます。
この一回りを毎月続けるうちに、社長だけが知っていたことが、チームが見て、考えて、動ける記録へ変わっていきます。これが、社長の記憶で回る経営が、チームの記録で動く経営へ変わる仕組みです。
この先の章では、まず土台のつくり方を書き、そのあとビジョン・ミッション・バリューから順に説明していきます。実際に始める順番とは違いますが、会社の向かう先から逆算して組み立てる筋道が、この順だといちばん分かりやすいためです。
第3章で書いたとおり、WBSとGTDがこの型の土台です。ここでは、それを実際にどう入れるかを書きます。
中期経営計画で決まった施策は、そのままでは動きません。「店長が育つ仕組みをつくる」と書いてあっても、明日誰が何をするのかが分かりません。
施策を担当する取締役が、目的と任せる範囲をそろえ、実際に進める社員と仕事を分けます。AIにも分け方の案を出させ、担当者と期限を確かめてNotionへ置きます。
具体的に何から始めるか決められない場合は、AIでたたき台をつくります。施策の目的、その会社の状況、任せる範囲を渡し、次の一手と必要な成果物を出させます。必要な場面ではこちらも一緒に考え、最初のたたき台・試作品まで進めます。担当者は、それを起点に仕事を続けます。
例を挙げます。店舗型のサービス業を想定します。
人事の取締役が「店長が育つ仕組みをつくる」という施策を持ったとします。割ると、こうなります。
・店長に必要な力を書き出す(人事部長・四月末)
・店長全員を、その力で見て、足りないところを一覧にする(人事部長・五月末)
・足りないところを埋める研修の中身を決める(人事取締役・六月末)
・一回目の研修をやる(人事部・七月)
・受けた店長に、何が変わったかを聞く(人事部長・八月末)
営業の取締役が「既存店の客単価を上げる」を持ったとします。
・客単価の高い店と低い店で、差がどこから出ているかを調べる(営業企画・四月末)
・高い店でやっていることを、手順として書き出す(営業企画・五月末)
・三店舗で試す(エリア長・六月)
・試した結果を見て、手順を直す(営業取締役・七月末)
・全店に広げる(営業取締役・八月から)
どちらも、名前と期限とやることが入っています。ここまで割ると、会議で進み具合を聞けます。割っていない施策には、聞きようがありません。
条件は、誰がやるのかが名前で入っていること、いつまでかが日付で入っていること、そして「やる」と言い切れる形で終わっていることの三つです。
「検討する」「進める」では、終わったかどうかが決まりません。「案を三つ出す」「三店舗で試す」なら、終わったかどうかが決まります。
細かさは問いません。施策によって適した大きさは変わります。ただ、この三つが揃っていないタスクは、あとで必ず「やっています」という報告になります。
WBSは組織の仕事の一覧です。ところが、実際の仕事はそれだけではありません。急な対応や頼まれごと、ふと思いついたことなど、一覧に載っていない仕事が毎日出てきます。
これを頭の中に置いたままにすると、いずれ忘れます。忘れないように覚えておこうとすると、今度は目の前の一つに集中できなくなります。
だから、頭の中に置かず書き出します。書き出す場所は、Notionに用意しておきます。
やり方は決まっています。仕事の種類でカテゴリーを分け、一つの仕事はタスクとして置き、大きければサブタスクに割ります。どれにも期限を入れます。WBSから来た仕事も、そうでない仕事も、同じ場所に並びます。
こうすると、自分がいま何を抱えているかが一つの画面で見えます。会議の前に思い出す作業が要らなくなります。
中期経営計画は、ビジョン・ミッション・バリューからの逆算で作ります。会社が向かう先が言葉になっていないと、何に手を付けるべきかが決まりません。
三つの言葉が何を指すかを先に揃えておきます。ビジョンは、自分たちが生み出せるいちばん良い未来の姿です。自社が大きくなった姿ではなく、その未来で世の中がどうなっているかまで含めて描きます。ミッションは、その未来へ向かうために自分たちが引き受ける取り組みです。バリューは、その取り組みを進めるときに何を優先するかの基準です。
よく見かけるのは、社員の心構えを並べたものです。ここで作るのはそれとは違い、十年後、二十年後にどんな世の中を創りたいのかを、自社の外まで見て言葉にします。
社長と取締役です。会社によっては、将来の幹部候補の若手を入れて作ることもあります。言葉を作った人が、後でその言葉を使う側になるからです。
最低七回の場を重ねます。
一つめは、創業からの歴史をたどる回です。何があって今の会社になったのか、社長に聞いていきます。
二つめは、顧客の声を言葉にする回です。社長と取締役が自分の顧客から普段言われていることを持ち寄ります。あらためて聞きに行ってもいいですが、そこまでしなくてもかまいません。自分の中にある顧客の声を外に出せれば十分です。
三つめは、なぜこの事業をやっているのかを話す回です。
四つめは、出てきた言葉を整える回です。一つずつばらして、似たものをまとめていきます。個人のこと、組織のこと、会社と事業のこと、家族や友人のこと、社会のこと、というように、どの範囲の話なのかで分けていくと、言葉の層が見えてきます。
五つめは、価値の幹を探す回です。一つの言葉について、なぜそれをやりたいのかを上へ、どうやってやるのかを下へたどっていきます。すると、いくつもの言葉が同じ根から出ていたことが分かります。
六つめは、言葉にする回です。社会の視点から出てきたものがビジョン、事業の視点から出てきたものがミッション、個人の視点から出てきたものがバリューの候補になります。候補は八つの問いで絞ります。
・なぜこの事業を行うのかの答えになっているか
・社会の中での役割が表れているか
・自分たちの夢であり、同時に世の中の夢にもなっているか
・読んで共感でき、静かな喜びを感じるか
・他社にはない言葉になっているか
・十年後も使えるか
・誰にでも分かるか
・飾りの言葉が少なく、短いか
七つめは、社内への広げ方を決める回です。
間隔は会社の状況に合わせて決めます。じっくり十か月ほどかけることも、月二回のペースで四か月ほどで仕上げることもできます。
言葉ができたら、みんなが毎日見る場所に置きます。たとえば、Notionのトップページです。決めた言葉も、社長の記憶ではなく記録の側に置いておきます。
社内への広げ方は会社によって違います。必要な場合は、広げるところまで一緒にやります。
すでにビジョン・ミッション・バリューがある会社は、作り直すのではなく、いまの事業と合っているかを確かめるところから始めます。
三年先までに何をやるかを決めて、誰が・いつまでに・何をやるかまで割ります。全8回、各回3時間を基本にします。社長と取締役全員が参加し、必要に応じて担当する社員も加わります。
この八回を、月次経営会議の中でやる会社と、別に場を設けて進める会社があります。分かれ目は、急いで仕上げたいかどうかです。急ぐなら、別の場を設けて並行して進めます。急がないなら、月次経営会議の中で進めていきます。
AIを使い、自社の経験だけでは出なかった案も並行して検討します。機会とリスク、成立条件、反対意見を確かめ、方向を比較します。八回の場は、検討の幅と深さを増やし、会社として選び取るために使います。
初回に、作る目的を社長と揃えます。目的は四つあります。
・毎年ゼロから考えなくてよくなること
・外の変化に合わせて手を打てること
・会社が何をやっているかが全員に見えること
・そして取締役が自分の施策を持つことです。
四つめがいちばん大きな目的です。施策に名前が付き、それが誰のものかが決まります。持っている人がいる仕事は進みます。
回
やること
第1回
キックオフ。何のために作るかを全員で揃える
第2回
自社の強みと、外から来る機会を書き出す
第3回
自社の弱みと、外から来る脅威を書き出す
第4回
強みと機会を掛け合わせ、攻めに出る施策を作る(積極戦略)
第5回
強みと脅威を掛け合わせ、他社と違う道を行く施策を作る(差別化戦略)
第6回
弱みと機会を掛け合わせ、弱みを埋める施策を作る(改善戦略)
第7回
弱みと脅威が重なるところを見て、退く判断をする(撤退戦略)
第8回
出そろった施策の中から、やるものを選んで確定する
自社の強みと弱み、外から来る機会と脅威を並べます。並べたら掛け合わせます。
強みと機会が重なるところからは、攻めに出る施策を作ります。強みと脅威が重なるところからは、他社と違う道を行く施策を作ります。弱みと機会が重なるところからは、弱みを埋める施策を作ります。弱みと脅威が重なるところは、退く判断をします。
四つとも埋める必要はありません。ある会社では、攻めに出る施策を十、弱みを埋める施策を十集め、残る二つの枠は「日ごろの仕事として当たり前にやること」と位置づけて、施策にはしませんでした。無理に埋めた枠から出てくる施策は動きません。
施策ごとに、責任を持つ取締役と、実際に進める担当者を決めます。担当者は役職に限らず選び、目的と任せる範囲をそろえます。誰が・いつまでに・何をやるかまで分けて、次の仕事へ進みます。
中期経営計画では、AIがつくる複数の案と記録を全員で見ながら考えます。考えを言葉にすることが得意でない人も、案の違いや自社の事情を確かめて参加できます。各自が担当する施策を理解し、次に判断・実行する範囲を持ち帰ります。
できあがるものは、中期経営計画の資料と、行動計画のWBSの二つです。
資料には、前期の振り返り、自社の強みと弱み、外から来る機会と脅威の整理、施策とその時期が入ります。社員に説明するための部分も、この資料の中に含めます。
月に一度、社長と取締役全員が集まります。1回3時間を基本に、任された社員も必要に応じて参加します。中期経営計画づくり、施策の進み具合、その月に判断するテーマを扱います。この場が型の器です。
日付が決まっていて、その日に全員の前で話すことになっています。それだけで、誰かに急かされなくても、仕事に期限が生まれます。
この場で共有して決まったことは、会社の決定になります。二人のあいだで合意しただけでは、組織の決定にはなりません。歴史のある会社ではとくに、決まったことが決まったと認められる場が要ります。
中期経営計画がまだない会社では、この場を使って作っていきます。進め方は、第8章に書いた八回の流れです。あわせて、部門ごとの当面の課題も持ち寄り、その場で書き出して施策に加えていきます。会議が報告の場ではなく、考えて決める場になります。
三時間の中で、施策の進み具合と、その月に判断するテーマを扱います。進捗は事前に記録で共有し、当日は止まっている仕事、前提が変わった仕事、判断が必要な仕事に時間を使います。時間の配分は、その月の論点に合わせます。
前の週に、その日話すことと、参照する記録・提案・試作を共有します。参加者は前回の結論と判断理由を読んだうえで出席します。担当者が現在の状態と判断したい点を示し、役員が質問や補足を加えます。
その月の重要なテーマとして、新しい事業の方向、外で起きている技術や市場の変化、判断が分かれたときに何を優先するかなどを扱います。こちらも、自社だけでは得られない示唆や選択肢を提示し、重要な判断に助言します。
会議中に決まったことや、やると決めた仕事が出てきたら、その場で印を付けていきます。会議の終わりに、付けた印を全部読み上げて、確認して閉じます。こうすると、同じ場にいたのに人によって違って覚えている、ということがなくなります。
議事録は、確定した結論と判断理由を中心に残します。必要に応じて、目的、捨てた選択肢、参照した情報、成果物、誰が・いつまでに・何をするかを添えます。未決事項は決定事項と区別します。
この形で残すと、後から同じ判断に迷ったとき、前の理由から考え直せます。人が代わっても、決めた経緯が会社に残ります。
施策とWBSはNotionに置きます。取締役とその部下が、進み具合を自分たちで更新します。誰かに報告するためではなく、自分の仕事の状態をそこに映しておく形です。
Miroでは、論点や計画を見える形にし、会議の議論を進めます。確定した結論と判断理由はNotionに残し、対応する施策・WBS・成果物とつなぎます。必要に応じてMiroへの参照を付け、同じ判断の記録を重複して管理しません。
会議と会議のあいだのやりとりは、Slackでします。話題ごとに一本の流れとして残るので、後から読めば経緯が分かります。届いた知らせは、その場で自分のタスクに変えられます。やりとりが記憶ではなく記録に残るので、集まらなくても仕事が進みます。
会議の音声を文字起こしし、AIに決定の記録の下書きをつくらせます。人が結論・判断理由・担当・期限・未決事項を確認してNotionに保存し、必要な仕事をWBSへ反映します。Slackには記録の参照先を知らせます。会議当日を目安に仕上げ、次の実行で使える状態にします。
担当者は次の仕事を始めるときに、確定した結論と判断理由を読み、必要な範囲をAIへ渡します。区切りで記録を更新し、次の月の会議では、同じ記録から進み具合と結果を確かめます。本人の説明を毎回待たず、記録を使って判断を引き継ぎます。
社長への助言に加え、仕事を任された担当者の判断と実行も支えます。着手時と重要な節目に確認し、進める途中の必要な相談にも応じます。
具体化に詰まったときは、何を実現したいか、どこまで本人が決められるかをそろえ、AIと最初のたたき台・試作品まで一緒につくります。社外の情報が足りなければ、根拠や成立条件を調べ、担当者が次の一手を選べるようにします。
担当者支援は、必要な場面で行います。相談のたびに新しい定例会を増やさず、同じ仕事と記録の上で続きを進められるようにします。
NotionとMiroとSlack、AI、そして会議の音声を文字にする道具を使います。すでに別の道具を使っている場合も、この三つの道具に寄せてもらいます。既存の社内システムを置き換える必要はありません。ただし、MIRAI BOARDで扱う経営会議・施策・WBS・経営の記録については、標準の道具へ寄せていただきます。道具の契約は、会社で持っていただきます。基本の使い方はこちらで教えます。費用は「料金体系」のページでご案内します。
中期経営計画で施策を決め、WBSで仕事の単位まで割っても、実際に調べ、考え、つくり、判断する人の仕事が変わらなければ、経営は変わりません。MIRAI BOARDには、その力を育てるMIRAI EDITを標準で組み込みます。
MIRAI EDITは、AIとの対話を通じて、自分だけでは難しかった仕事を考え、形にする力を育てるサービスです。
AIの提案を受けて目的や前提を問い直し、多くの案を比べ、出力の良否を見極めて仕上げる。この「編集する力」を、自分の実際の仕事で身につけます。
確定した結論と判断理由をテキストで残し、次の自分・仲間・AIが続きから進められるようにします。短い教材、実践ガイド、AIによる支援を使い、人とAIでできることを広げながら、成果を積み重ねていきます。
最初に使うのは、本人が普段取り組んでいる仕事です。たとえば、部長が事業部長や役員に提案するなら、複数の方向をAIと並行して検討し、成立条件や反対意見を確かめ、判断に必要な要点を押さえたラフな提案をつくります。速さと質を上げながら、これまで扱えなかったテーマにも手を広げます。
社内提案、顧客向けの資料、調査、分析、試作品など、仕事に必要な具体物まで進めます。何から始めるか分からないときは、AIが仮案を出し、本人はそれを見て目的と進め方を整えます。最初から詳細な指示を一人で作れることは前提にしません。
1 目的と前提を問い直す。AIの提案を受けて、最初の依頼や考え方を見直します。
2 複数の案を比較して選ぶ。多くの案を並行して出し、違いと成立条件を確かめます。
3 良否を見極めて直す。出力のどこがよく、どこをどう変えるかを具体的に伝えます。
4 仕事を分けて実物をつくる。大きな仕事を扱える単位に分け、下書き・分析・試作など必要な成果まで進めます。
5 記録を使って成果を育てる。目的・結論・判断理由を引き継ぎ、次の対話と仕事を続きから進めます。
根拠・成立条件・反対意見をAIに出させ、一次情報や詳しい人の知見と照合します。一つのAIから始め、別のAIにも評価させて食い違いを掘り下げる方法も、標準で案内します。
最初の案内は短い文章と実践ガイドを中心にし、必要な箇所に動画を加えます。AIへの指示文、案を比較する観点、修正の例、記録のひな形を用意します。本人は自分の仕事に合うものを選んで使います。
月1回、顧客企業に共通する新しい実践方法を届けます。必要なときは教材とガイドも更新します。AIの変化や実務での学びを、何を頼み、どう確かめ、どう具体化するかまで落として伝えます。
教材やAIで解決しなかった使い方の問い合わせは、会社ごとの窓口からまとめて受けます。窓口は問い合わせを集約する役割です。全社員を教える専門担当者を社内に置くことは必須にしません。
学ぶ機会は全員に開きます。最初の契約は、希望者や会社が指定した社員から始め、順次広げます。AIに不慣れな人も、普段の仕事を持ち込んで始められます。現在の役職にこだわらず、新しい仕事を担える可能性のある社員を見つけます。
社長には、AIで仕事を変える意思と協力を求めます。社員が業務時間内に実践することを認め、具体的な時間配分は会社で決めます。社長自身がAIを使いこなせることは必須条件にしません。
共有端末を使う社員には、会社が認めたアカウントで利用し、自分の仕事の記録へ戻れる手順を用意します。使い慣れている人にフォローが集中しないよう、短い案内とAIによる支援を共通で使います。
AIの使い方や、任せる仕事の進め方が合わない場合は、仕事と役割の分け方を見直します。惰性で続く会議や不要な調整も見直し、新しい仕事を進められる人が、その力を使える状態をつくります。
社員はMIRAI EDITを使い、AIと事業の方向から考え、提案や具体物をつくります。MIRAI BOARDでは、その記録と成果をもとに会社として判断します。担当者は判断を引き継ぎ、任された範囲で仕事を進め、結果を次の会議へ戻します。
結論と判断理由はNotionへ残します。次の仕事の開始時に、その記録と今回の目的をAIへ渡します。仕事の区切りでは、AIに記録の下書きをつくらせ、人が確認して保存します。会議のために同じ内容を書き直す負担を増やさず、同じ記録を読み、判断と実行を更新します。
MIRAI EDITは単独でも契約できます。詳しい提供方法は「MIRAI EDIT 標準の型」、費用と利用条件は「料金体系」のページでご案内します。
MIRAI SERIESは、人とAIの協働によって、これまでの知識・能力・時間の制約を超え、会社と社員が、これまで届かなかった水準の仕事と成果を実現していくサービス群です。MIRAI BOARD、MIRAI EDIT、そして将来構想のMIRAI TASKを、同じ仕事と記録でつなぎます。
MIRAI TASKは、仕事の目的と任せる範囲を受け取り、AIが進め方を組み立て、実行まで進めるサービスの構想です。範囲を超える判断が必要になったとき、人に相談します。MIRAI BOARDとMIRAI EDITで残した目的・結論・判断理由を引き継ぎます。提供開始日と具体的な機能は、今後具体化します。
MIRAI BOARDが解くのは、社長の記憶で経営が回っている状態です。だから、合うかどうかの線もそこにあります。経営を移す先があるか、そして移す時期が来ているかです。
社長には、AIで仕事を変える意思と協力、社員が業務時間内に実践できる環境づくりを求めます。社長自身がAIを使いこなせることは、始める条件にしません。
・取締役はいるのに、判断がすべて社長に上がってくる会社。移す先はあるのに、経営がまだ移っていない、この型が解く状態そのものです。
・会議を毎月やっているのに、報告を聞いて終わっている会社。集まる場は既にあるので、決まったことを記録に残す進め方を入れるところから始められます。
・中期経営計画を作ったことはあるのに、作って終わった会社。作り直す必要はありません。いまある計画を施策とWBSの形に組み直し、月次経営会議につなげば動き出します。
・店舗や拠点、事業が増えて、社長が全部を見きれなくなってきた会社。会社の実態が、記憶で追える範囲を超え始めています。記録に移す時期です。
・歴史のある会社を、二代目・三代目の社長が継いだ会社。先代の頭の中にあった経営は、引き継げません。記録で動く経営へ作り変える、いちばんの機会です。
・創業社長が、次の世代へ経営を渡す準備を始めたい会社。頭の中の経営を記録に変えておくと、渡すときの負担が軽くなります。
・社長一人で決められる規模で、それで困っていない会社。経営を移す先が要りません。
・創業して間もない会社。まだ役割を分けず、全員で同じ仕事を追いかける時期です。管掌を分けるのは、その先です。
・資金繰りなど、いますぐの手当てが要る会社。この型は、毎月の場を重ねて施策を育てていくやり方です。急ぎの局面には間に合いません。
型で使う道具と、その受け持ちです。道具はよいものが出たら入れ替えます。それぞれの使い方は、手引きに書いてあります。
生成AIは一つから始め、必要に応じて複数を併用します。特定のAIや連携機能の利用条件は、導入時点の会社の環境に合わせて確認します。
道具
受け持ち
Slack
普段の連絡と途中経過を残し、確定した記録の参照先を共有する
Miro
中期経営計画と会議の論点を見える形にする。確定した判断はNotionへつなぐ
Notion
決定の記録、施策とWBS、一人ひとりの仕事を置く。MIRAI BOARDとMIRAI EDITで共通の保存先にする
Zoom
オンラインで会議を行う
文字起こし
会議の音声を文字にして残す
生成AI
調べ、考え、複数案を比較し、具体物と記録の下書きをつくる。その時々で最適なものを選ぶ
社長に集まっている判断や仕事、これからチームに任せたいことをお聞かせください。
相談する
▼ note
社長の記憶、チームの記録。——会社で何かが進まないとき、原因は人ではなく構造にあります。経営の見方を、一本にひとつずつ記事にしています。
▼ 書籍『社長の記憶から、チームの記録へ』
Webサイトとnoteの内容を、書籍にまとめています。Kindle版とペーパーバック版があります。